トイレに行けばついてくる。
キッチンに立てばついてくる。
洗濯物を取りに行くだけでも、気づけば後ろに愛犬がいる。
「うちの子、ストーカーみたいなんです。」
そんな話を飼い主さんから聞くことがあります。
もちろん、それだけ飼い主さんのことが大好きという気持ちもあるでしょう。
でも私は、それだけではないと思っています。
今日は、犬が飼い主さんの後をついてくる理由について、トリマーとして感じていることをお話しします。
理由① 飼い主さんの近くにいると安心できるから
犬にとって飼い主さんは、一番安心できる存在です。
だから見える場所にいてほしい。
近くにいてほしい。
そんな気持ちで後をついてくる子はたくさんいます。
これは、とても自然な行動です。
理由② 「何か楽しいことが始まるかも」と期待している
ソファで寝ていたのに、
飼い主さんが立ち上がると一緒に起きる。
そんな姿を見たことはありませんか?
「散歩かな?」
「遊ぶのかな?」
「ご飯かな?」
犬は毎日の暮らしの中で、飼い主さんの行動をよく見ています。
後をついていくのは、楽しいことへの期待なのかもしれません。
理由③ 何か伝えたいことがある
犬は言葉を話せません。
だから行動で伝えます。
「暇だよ。」
「遊ぼう。」
「外へ行きたい。」
「なにかくれるかな。」
そんな気持ちを、後をついて歩くことで伝えている子もいるように感じます。
理由④ 習慣になっている
毎日一緒に過ごしていると、
「飼い主さんが動いたら自分も動く。」
それが当たり前になります。
特別な理由があるというより、一緒に行動することが生活の一部になっている犬もいます。
理由⑤ 依存していることもある
ここだけは少し気をつけて見てあげてほしいところです。
例えば、
飼い主さんがいないと吠え続ける。
飼い主さん以外の人には唸る。
落ち着かない。不安。
そんな様子がある場合は、「大好き」という気持ちだけではなく、少し依存が強くなっている可能性もあります。
依存は、犬自身が安心できる世界を狭くしてしまうことがあります。
だから私は、「ずっと一緒にいること」よりも、「離れていても安心できること」を少しずつ教えてあげることが大切だと思っています。
ストーカー犬にしないために大切なこと
犬が後をついてくること自体は、悪いことではありません。
無理にやめさせる必要もありません。
でも、犬の世界が飼い主さんだけになってしまうのは少し心配です。
散歩でいろいろなにおいを嗅ぐ。
誰とでも遊ぶ。
一人でのんびり休む時間もある。
そんなふうに、「安心できる場所」を少しずつ増やしてあげることが、心の安定につながります。
今日のおうちチェック
今日、愛犬は何回あなたの後をついてきましたか?
その時の表情はどうでしたか?
楽しそうでしたか?
何か伝えたそうでしたか?
それとも、不安そうでしたか?
行動だけを見るのではなく、その時の気持ちまで想像してみてください。
犬は、「近くにいたい」と伝えています
犬が飼い主さんの後をついてくる理由は、一つではありません。
安心したい。
一緒にいたい。
何か楽しいことが始まると思っている。
伝えたいことがある。
その子によって理由は違います。
だから私は、「ストーカー犬」と笑って終わるのではなく、
「この子は今、何を伝えたいんだろう。」
と考えてあげてほしいのです。
犬にとって本当に大切なのは、ずっと一緒にいることではありません。
「離れていても大丈夫。」
そう思える安心を育ててあげること。
それも、飼い主さんから愛犬への大切なプレゼントなのだと、私は思っています。