犬と暮らしていると、知らないうちに「こうあるべき」という理想を作ってしまうことがあります。
吠えちゃダメ。
トイレは決まった場所でしないとダメ。
散歩では引っ張っちゃダメ。
他の子と仲良くできるのが良い子。
トリミングではじっとしているのが良い子。
もちろん、社会の中で暮らしていく以上、ルールやマナーは大切です。
でも私は、毎日たくさんの犬と接していて思うことがあります。
その子を「良い子」「悪い子」で決めつける必要は、本当にあるのでしょうか。
良い悪いと行動は別です
私が伝えたいのは、
「何でも許しましょう。」
ということではありません。
ここは、とても大切なことです。
例えば、吠え続けて近所に迷惑をかけてしまうなら対策は必要です。
家の中で困る場所に何度もおしっこをしてしまうなら、環境や生活を見直した方がいいかもしれません。
他の犬を噛んでしまう可能性があるなら、安全に過ごせる工夫も必要です。
それは「行動」です。
でも、その前にしてほしいことがあります。
それは、
その子を「ダメな犬」と決めつけないこと。
ジャッジと行動は、まったく別のものです。
「どうして?」から始めてほしい
吠える。だから悪い子。
噛む。だから問題犬。
他の犬が苦手。だから社会性がない。
私はそんなふうには思いません。
まず思うのは、
「どうしてなんだろう?」
ということです。
怖いことがあったのかもしれない。
不安なのかもしれない。
身体のどこかが痛いのかもしれない。
遊び足りなくてエネルギーが余っているのかもしれない。
犬は言葉で説明できません。
だからこそ、行動で伝えてくれています。
私は、その行動を責める前に、理由を考えてあげたいと思っています。
「普通」がその子に合っているとは限りません
SNSを見ると、
誰とでも仲良く遊べる犬。
ドッグランで楽しそうに走る犬。
どこへ行っても落ち着いている犬。
そんな姿をたくさん見かけます。
でも、それがすべてではありません。
他の犬が苦手な子もいます。
飼い主さんと散歩する方が好きな子もいます。
抱っこが安心できる子もいれば、抱っこが苦手な子もいます。
人にも性格があるように、犬にも性格があります。
みんな同じである必要なんてないんです。
トリマーをやってきたからこそわかる
最初は怖くて震えていた子が、自分から寄ってきてくれるようになったり
顔を触られるのが苦手だった子が、力を抜いてくれるようになったり
シャワーやドライヤーに噛みついていた子が、落ち着いて委ねてくれたり
「問題のある犬」だと思っていたのではなく、
安心できる理由がまだ見つかっていなかっただけ。
そんな子を、私は何頭も見てきました。
だから今は、その子を評価するよりも、
「この子は何を伝えたいんだろう。」
そう考えるようになりました。
犬を変える前に、見方を変えてみる
犬は、私たちが思っている以上に素直です。
困らせようとして吠えるわけではありません。
嫌がらせで噛むわけでもありません。
その子なりに、一生懸命生きています。
だから私は、
「こうしなきゃダメ。」
「こうあるべき。」
そんな固定観念を、少しだけ手放してもいいと思っています。
もちろん、困ることがあるなら対策は必要です。
でも、それは「この子はダメだから」ではありません。
その子も、周りの人も、みんなが気持ちよく暮らすため。
その視点で考えられたら、犬との暮らしはもっと楽になるはずです。
私が目指したいこと
犬は、
良い子になろうとも、悪い子になろうとも思って生きていません。
ただ、その子なりに、一生懸命生きています。
私たちが少しだけ「こうあるべき」を手放せたら、
犬はもっと生きやすくなるのかもしれません。
そして、不思議なことに。
一番心が軽くなるのは、犬ではなく飼い主さん自身なのかもしれません。
私は、このブログを通して犬を変えたいわけではありません。
犬を見る「ものさし」を、少しだけ優しくできたら。
それが、私の目指したいことです。